ウズベキスタンは、世界の観光地図においてますます重要な目的地として浮かび上がっています。豊かな文化遺産と独特の自然景観が融合するこの国は、旅行者にとってまさに「シルクロードの宝庫」といえる存在です。この文脈において、ユネスコとの協力は特別な意義を持ちます。歴史的建造物や遺跡が世界遺産として認定されることにより、国際的なプロモーションが可能となり、観光への関心を高め、ウズベキスタンの地位を世界の観光業界でさらに強化しています。
現在、ウズベキスタン国内には、3つの国境を越えた遺産を含む7つの世界遺産が登録されています。これらの遺産のそれぞれが観光ルートの発展において重要な役割を果たし、国際的な観光客の増加を促すとともに、ビジネス、ホスピタリティ、サービス業、交通インフラなどの分野に新たな機会をもたらしています。
ヒヴァのイチャン・カラは中世東洋都市の雰囲気をそのまま残す「屋外博物館都市」です。訪れる人々は、イスラーム建築の歴史を感じながら、モスクやマドラサ、そして19世紀の宮殿が並ぶ街並みを歩き、時を遡るような感覚を味わうことができます。ブハラは地域で最も古い都市の一つであり、シルクロードの文化的中心地としての風格を今に伝えています。イスマイル・サマニ廟、17世紀の荘厳なマドラサ群、そして歴史的なミナレットが、この都市を文化観光の主要な目的地にしています。アミール・ティムール(タメルラン)の生誕地であるシャフリサブズには、ティムール朝時代の記念建造物が残り、当時の政治的・精神的中心地としての歴史を伝えています。サマルカンドは「文化の交差点」として知られ、文明の融合を象徴する都市です。レギスタン広場、グリ・アミール廟、シャーヒ・ズィンダ廟群、ウルグベク天文台はウズベキスタンを代表する象徴的な名所として、世界にその名を轟かせています。
文化遺産に加え、ウズベキスタンではいくつかの自然遺産もユネスコ世界遺産に登録されています。豊かな生物多様性で知られる西天山山脈は、エコツーリズムやトレッキングの人気スポットです。ここでは希少な動植物に出会うことができ、多くの果樹が起源をもつ自然環境を探訪することができます。トゥラン地域の温帯砂漠は、過酷な自然条件と多様な生態系で旅行者を驚かせ、冒険心を求める旅行者やエコツーリズム愛好者にとって魅力的な目的地となっています。さらに、東西を結んできたシルクロードのザラフシャン–カラクム回廊は、古代のキャラバンルートをたどるユニークな体験を提供し、何世紀にもわたって貿易と文化交流の動脈として機能してきました。
これらすべての遺産は、観光ルートの基盤であると同時に、ウズベキスタンのブランドを国際的に発信する重要な役割を果たしています。世界遺産の普及は海外の旅行会社の関心を高め、国際観光客の増加を促進し、新たな雇用を創出するとともに、経済発展にも大きく貢献しています。観光は単なるサービス産業を超え、ウズベキスタンを「開かれた、現代的で、ダイナミックに発展する国家」として印象づける戦略的資源となりつつあります。
また、持続可能な観光の発展にも特別な注目が寄せられています。自然遺産の登録は、独自の生態系の保全の重要性を示すものであり、文化遺産は未来の世代のために歴史的遺産を守る必要性を思い起こさせます。このようなアプローチにより、観光は環境保全や文化外交と調和した魅力的な取り組みとなっています。
この文脈において特に象徴的なのは、2025年にサマルカンドで第43回ユネスコ総会が開催されることです。この重要な国際会議がフランスの首都パリ以外で行われるのは40年ぶりのことです。本会議には約200か国の代表団が参加し、ウズベキスタンの観光ポテンシャルを世界に示すまたとない機会となるでしょう。ウズベキスタンにとってこのイベントは、世界観光の中心地、そして文明の交差点としての地位をさらに強化する重要な一歩となり、観光産業の成長と国際協力に新たな地平を切り開くものとなります。
ウズベキスタン観光委員会委員長
U. シャディエフ