CIS：共通の未来に向けた経済的統合

---

独立国家共同体（CIS）は過去30年間にわたり、旧ソ連諸国間の相互利益に基づく経済関係を発展させる最も重要な枠組みの一つであり続けています。外部からの挑戦や各国の国家優先事項の違いにもかかわらず、CIS加盟国間の協力の潜在力は着実に強化されています。大規模な投資プロジェクト、産業協力、輸送・エネルギー分野、デジタル経済における統合の深化など、新たな協力形態がその明確な証拠です。

ウズベキスタンはその代表的な例であり、CIS加盟国すべてとの貿易・経済関係を一貫して拡大しています。

---

ロシアとウズベキスタン：CISの機関車

現在、ウズベキスタンとロシアの協力はCIS全体の経済的相互作用の基盤となっています。ロシアはウズベキスタンにとって最大の貿易相手国であり、2024年の相互貿易額は116億米ドル、2025年1月〜8月には83億米ドルに達し、6.5％の成長を記録しました。

この協力の柱は、自由貿易、産業協力、大規模投資プログラムにあります。両国の共同プロジェクトは、エネルギー、機械製造、化学、食品産業などを網羅しています。現在、ウズベキスタンにはロシア資本が関与する企業が3,000社以上存在します。また、毎年開催される「INNOPROM・中央アジア」展示会は、両国産業統合の象徴となっています。

さらに、輸送回廊、物流、教育、デジタル技術の分野でも協力が拡大しており、両国は産業協力とイノベーションに基づくCISの新たな経済モデルを構築しています。

---

カザフスタン：戦略的パートナーかつ隣国

ウズベキスタンとカザフスタンの関係は、地理的近接性がいかに経済的優位性へと転換されるかを明確に示しています。1997年から活動する政府間委員会の下で、両国の貿易額は現在70億米ドルを超えています。

ウズベキスタンにはカザフ資本の企業が1,157社、カザフスタンには5,400社を超えるウズベキスタン企業が登録されています。貿易、建設、ITサービス、物流などの分野で協力が急速に拡大しています。特に、両国の地域フォーラムは重要な役割を果たしており、直近ではサマルカンドで開催され、ロードマップおよび大規模な契約パッケージが締結されました。

両国は中央アジアにおいて統一経済圏を形成し、欧州とアジアをつなぐ「架け橋」としての役割をさらに強化しています。

---

ベラルーシ：産業協力と技術交流

ベラルーシはウズベキスタンにとって重要な産業パートナーの一つです。2025年1月〜8月の相互貿易額は5億9,970万米ドルで、34.3％の増加を記録しました。製薬、機械製造、建材、繊維産業における共同企業が活発に発展しています。

地域フォーラム、農業分野の作業部会、女性起業家によるビジネスフォーラムなどは、両国間の高い信頼関係と制度的調整の進展を示しています。ベラルーシからの投資額も年々増加しており、2025年末までに1億700万米ドルの投資が予定されています。

---

アゼルバイジャン：同盟関係と共同プロジェクト

ウズベキスタンとアゼルバイジャンの関係は2024年に署名された同盟関係条約によって新たな段階に入りました。両国は機械製造、エネルギー、冶金、物流の分野で共同プロジェクトを積極的に展開しています。

2024年の貿易額は2億5,350万米ドル、2025年8月には1億7,770万米ドル（+18.2％）に達しました。ウズベキスタンにはアゼルバイジャン資本の企業が280社活動しています。カスピ海経由の輸送回廊やアラト港を経由したトランジット貨物量は2024年に26％増加し、アゼルバイジャンの物流ハブとしての役割をさらに強化しています。

---

タジキスタンとキルギス：善隣協力と地域統合

ウズベキスタンはタジキスタンおよびキルギスと「善隣経済」戦略を段階的に実施しています。

• **タジキスタンとの貿易額：**2024年に7億270万米ドル。両国の投資会社（資本金1億米ドル）は、産業、輸送、建設分野のプロジェクトを融資しています。

• **キルギスとの貿易額：**8億4,600万米ドル。ウズベキスタンには309社の共同企業が存在します。2030年までの戦略協力プログラムの枠内で、新たな物流回廊や国境産業ゾーンが形成されています。

---

アルメニアとグルジア：新たなビジネス交流の展開

• アルメニアとの貿易額は過去5年間で4倍に増加し、製薬、食品、繊維分野のプロジェクトが実施されています。

• グルジアとの貿易額は1億8,250万米ドルに達し、輸出の比率が拡大しています。黒海港を通じた輸送・物流システムが形成されており、エネルギーおよび観光分野で新たな協力方向が開かれています。

---

結論と展望

ウズベキスタンの経験は、CIS内の協力が地域の持続的発展と経済安定を支える重要な要素であることを示しています。

共通の法的基盤、自由貿易の原則、政府間委員会、地域フォーラム、共同投資基金は、統合をさらに深化させるための強固な基盤を形成しています。

CIS加盟国間の経済関係の強化は、単なる統計や協定の問題ではなく、相互信頼、政治的意思、そして共通の未来に向けた意志の表れです。

今日、CISはもはやソ連の遺産の延長ではなく、平等・パートナーシップ・相互利益の原則に基づく、新たな経済秩序を形成する現代的なプラットフォームへと進化しています。